ウチの子はどうして集中力が持続しないのかしら?
そういう悩みをかかえる親御さんは、多いのではないでしょうか?
この記事では、子どもが集中できない原因と、その対処法について考えていきます。
子どもが集中できない原因
子どもの「集中力不足」は、いわば「慢性病」のようなものです。
決して風邪をかぜ薬で治すような即効性を期待してはいけません。
まずは「集中できない原因」を探りながら、適切な対処をすることが必要です。
「集中力がない子ども」になってしまった原因は?
学校には目の前に先生がいて、周りの友だちも同じ環境で学習します。
そして逆にご家庭では、1人で勉強する時間が多くなります。
つまり「集中できない学習姿勢」は、学校ではなくご家庭での学習(ほとんどの場合は小学生のころ)で身についてしまった可能性が高いということです。
まずはそのことを親御さんがしっかり認識しておく必要があります。
「集中できない」のは子どもにやる気がないから?
おそらくその考えはまちがいでしょう
「やる気があっても集中できない」という子は、今とても多いのです。
「やる気」と「モチベーション」が、まったく異なるものであることはご存じでしょうか?
- 「モチベーション」…何かをおこなう際の意欲になるもの
- 「やる気」…実行に移すためのエネルギー
- 「集中力」…意識や気持ちを集中させる力
つまり、「モチベーション」→「やる気」→「集中力」と段階的に身につけるものです。
お子さんに集中力がないからといって、「やる気がない」とすぐに判断してしまってはいけません。
集中して勉強しなさい!
休憩するヒマなんてあるの?
そのようなことばで子どもがやる気になることは、まずありえません。
子どもは逆にやる気を失ってしまうのでは?
それらのことばが親の口から出てくるのは、「集中できない子ども」への対処法を持ち合わせていないのが、そもそもの原因です。
長時間集中して勉強できたほうがいいのか?
半分は正解です。
集中力が長時間持続できるのならば、それに越したことはありません。
ただ、長時間の学習を促すためには、そのプロセスが重要です。
長時間の集中力をお子さんに強要していませんか?
子どもに精神的な負担をおわせてしまうのは逆効果ですし、一朝一夕に身につくものでもありません。
長時間の集中力を育てるには、短時間の集中力を少しずつ伸ばすイメージが大切です。
逆に、短時間でも効率的に勉強できる方法もあります。(↓)
子どもの集中力の持続時間はどのくらいか知ってますか?
個人差はありますが
長くてもせいぜい15分くらいです
そもそも学校の45分~50分という授業時間は、集中を継続させるには不可能な時間です。
そのような設定になっているのは、おそらく子どもの管理上、都合がよいからなのでしょう。
実際、全国的にみれば45分の授業を15分×3回に分ける取り組みを行っている学校も、少なくありません。
そして2020年度から実施される、小学校高学年での英語教科化に向けて、文部科学省では、15分区切りの短時間学習を導入する方針が提案されています。
英語だけでなく、他の教科でもぜひ検討してほしいものです。
「集中できない子ども」への対処法
ここからは、子どもの集中力を高めるための効果的な方法を、いくつか紹介していきます。
「そんな方法はダメだよ」と親のほうが決めつけてしまえば、子どもはいつまでたっても「集中力不足」から抜け出すことはできません。
大事なのはその可能性を信じて、いろんな方法を試してみることです。
ただし、集中力の高め方は子どもによって異なるということを、ご理解いただいた上でお読みください。
「学校での集中力の高め方」については別の記事で(↓)
身近な目標をもたせること
「モチベーション」を「やる気」に変える
前述したとおり、集中力はいきなり身につくものではありません。
段階を踏ませることが大切です!
まずは学習するための「動機づけ」として、以下の点に注意しながら目標を設定します。
環境を変えること
「やる気」を「集中力に変える」
必ずしも「静かで落ち着いた場所」のほうが集中できるとは限りません。
集中できる環境は子どもによって異なります!
場合によっては家のリビングなど、「家族が見てくれている」だけでやる気が湧いてくる子どももいます。
そもそも学校に行けば「静かで落ち着いた場所」など、ほとんど確保できません。
周りに人がいる環境で集中できるほうが、子どもにとってはプラスになるのではないでしょうか?
逆に子どもを外界から完全に隔離してしまうのは、あくまで一時的な対処と捉えるのが妥当でしょう。
「制約」を「制限」に変えること
〇時間以上勉強しなさい!
子ども時代に父親・母親からそう言われ、気分が重くなった記憶はないでしょうか?
それは「~以上」が「制約」のことばだからです。
勉強に終わりが見えないため、子どもは初めからやる気を失くしてしまいます。
〇時間以上は勉強してはダメよ
学習時間は一時的に減ってしまう可能性はありますが、長い目でみればこの方が集中力は確実にアップします。
もちろん、いつも規定時間で勉強を終えてしまうような子には、また別の方法を考えなければなりません。
「もう少しやりたい」という気持ちが、そこで少しでも起こる子なら、継続することで次第に集中力が身についていくでしょう。
要は発想の転換です。
悩みごとを解消させること
心にモヤモヤを抱えた子どもは、決して集中はできません。
成績、部活動、友人との関係、家庭や学校での生活環境、など
悩みごとの原因はさまざまでしょうが、まずはそれを取り払ってあげるのが最優先です。
たとえば、何かの場面でお子さんを叱ってしまったとしましょう。
そのときの親御さんのことばが心に響いていたとしても、すぐには集中力に直結しません。
あまり引きずらず、お子さんの気持ちを切り替えさせてあげる配慮が必要です。
十分な睡眠・適度な休憩をとらせること
睡眠不足や疲れなどで、集中力が低下することがあります。
しかし、本人はそのことになかなか気づくことができません。
親が子どもの体調をしっかりと把握し、適度な休憩をとらせることが大切です。
もちろん「精神力」を養うことも大事です。
ただ、疲れて眠そうにしている子どもに、無理やり勉強させたところで、効率的に学力をつけることはできません。
勉強中に親が横についていてあげること
親が子どもを常に監視するという意味ではありません。
勉強する様子を「見ててあげる」ことです。
お母さんは勉強のことはまったく分からないから…
そう言ってお子さんの学習に対して、無関心になってはいないでしょうか?
さっきより〇ページ進んでるね!
要は子どもの勉強に対して、親が興味を示していることが大切なのです。
15分おきに立ち上がること
単純なことですが、集中力を回復させるには、かなり効果的な方法です。
座ったままずっと同じ姿勢でいると、血流が悪くなり、頭の働きも鈍ってしまいます。
5分くらい立ったまま勉強するのも、方法としてはアリです。
おわりに
子どもに勉強を教えるのは簡単ですが、集中力を身につけさせるのは容易なことではありません。
ただ、子どもの『やる気の種』はどこに転がっているか分かりません。
親がいつもアンテナを張りつつ、あきらめずにいろんな方法を試してみることです。
ただし、「過干渉」になってしまわないように注意
年齢が上がり反抗期などがきてしまうと、子どもは親のアドバイスを素直に受け入れられなくなります。
子どもの学習姿勢は、できるだけ早い時期にしっかりと身につけさせることが大切です。