子どもにやる気がないのは?
ウチの子にはやる気がまったく感じられない…
子どもが勉強をしなくなるのには、様々な要因が考えられます。
家庭環境、学校での先生や友人との関係、塾の学習環境、スマホやゲームなど。
ですから、勉強に対する意欲をまったくもたない子がいたとしても、それがすべて周りの大人の責任であると、一概にはいえないでしょう。
ただ、その環境も、ほとんどの場合は大人によって与えられたものです。
子どもは自らで生活環境を変えることはできませんからね
大人が発した一言一言は、特に思春期の子どもの学習意欲や行動・性格にまで影響を及ぼします。
少なくとも大人の一人一人が、子どもの成長の一端を担っているという意識だけは、常にもっておくべきでしょう。
「がんばれ!」は使ってはいけない言葉?!
「がんばれ」という言葉を使うべきではない、というのが、今や世間での常識になりつつあります。
子どもに限らず大人に対しても、がんばっている人にその言葉をかけることで、余計なプレッシャーになってしまったり、「これ以上何をがんばればいいの?」と相手を追い詰めることにもなりかねませんよね。
しかし本来「がんばれ!」は
相手を励ますステキなことばです
「がんばれっ!」という父親の力強いひと言で、子どもの気持ちが奮い立つことがあります。
「がんばってね。」の母親の優しい言葉で、自分への親の信頼を感じることができます。
愛情のこもったことばであれば、それはきっと子どもに伝わります。
逆に、今まさにがんばっている子どもに対して、顔を見るたびくり返し「がんばれ」と言う。
それでは伝わらないどころか、子どものやる気を減退させてしまいます。
「指導」とは?
お子さんを叱ったあと、長々と説教をする
もちろん、子どもを「怒鳴るだけ」で終わってしまうのは教育とはいえません。
かといって、叱ったその勢いのまま怒りにまかせて話をしていること、次第に子どもの反応(手ごたえ)が薄くなってしまう。
たとえ大人のほうが冷静になっていたとしても、子どもの軽い興奮状態はすぐには収まりません。
その状況下での「指導」は、ややもすると「指示」になってしまいます。
そんなとき子どもは大人の指示に従いはすれども、その子の内面はなにも変わりません。
しばらく経ったらまた必ず同じ行動を繰り返すことになります。
子どもが平常心にもどるのを待つ
叱ったあとは、子どもが平常心を取り戻すのを見計らってから、改めて話を切り出すのが適切な処置だといえるでしょう。
ふだんの子どもの生活を見ながら、悪いところを指摘してあげるのは、もちろん大切なことです。
ただ、良いところを伸ばすきっかけをつくってあげることも、決して忘れてはいけません。
たとえ悪い面ばかりが目についたとしても、叱ってばかりでは子どももイライラが溜まってしまいます。
叱ったあとは褒めるところを必ず探してあげてください!
そうすれば、お子さんも日々ストレスなく生活することができるはずです。
子どもに伝わる話し方
子どもは、自分の行動を「否定」されたときより、「肯定」されているときのほうが、大人の話に耳を傾けてくれます。
「ダメだよ、それ。」ではなく、「イイね、そういうの。」と言えるかどうかです。
何がダメか指摘するほうが
ホントは手っ取り早くはあるんですが…
「イイね」と話を切り出すと、子どもは素直にそれを受け入れてくれます。
「その行動の何がよかったのか」をちゃんと理解した上で、
「もっとよくしていくにはどうすればよいか」というこちらのアドバイスも、興味をもって聞いてくれるはずです。
こちらの言い方を少し変えれば…
《例》子どもがいつも学校のテスト直前しか勉強をしない。
ふだんからしっかり勉強しなきゃダメ!
そう言いたくもなる状況ですが…。
少しだけ見方を変えた言い方をすれば、子どもに伝わりやすくなることもあります。
みんなが勉強しているとき 同じように勉強して成績が上がると思う?
なら、みんながやっていない今ならどう?
「勉強しなさい!」と言って子どもが勉強に取りかかったとしても、その場かぎりの行動になってしまうことが多いです。
ガンバってほしいのなら、そうすることのメリットを話してあげる必要があります。
論理的に、分かりやすく…。
こちらの要望を子どもに押しつけるのではなく、問いかけによって自身で考えさせ、行動を促すのも有効な手段のひとつです。
そうでなければ、子どもはこちらの話に食いついてきませんし、長続きもしません。
おわりに
子どもの教育法については、さまざまな意見が世に飛び交っています。
たとえば、「子どもは褒めたほうが伸びる」という考えもあれば、その逆も存在します。
もちろんそれは専門家の見解かもしれませんし、多くのデータを採取して得た結論なのかもしれません。
この教育法で 子ども10人のうち9人に良い結果が表れました
ですから このやり方なら絶対に間違いありませんよ
メディアなどでそう断言している人を最近よく見かけますが、正直、その発言にはすごく違和感を覚えます。
残りの1人はどうするの?
学習塾、特に個人塾では「できるだけたくさんの子にすばらしい教育を」ではなく、
「目の前の子に適切な指導を」なのです。
10人の子がいれば、それぞれに合う10通りの指導法が要求されますし、そもそも子どもの教育に正解・不正解なども存在しません。
専門家の意見はあくまで一般論、データもあくまで参考として捉えるのが妥当でしょう。
子どもと会話を交わしながら、自分のかけた言葉でその子がどう変化していったのか。
そういう経験値を貯めていきながら、
大人のほうがまずは成長していくべきなのではないでしょうか?