これは先日、ある授業で子どもたちにした話。
大学受験を控えた私の弟の、受験勉強でのエピソードです。
弟が高3になったある日のこと。
母が弟の部屋に入っていくと、
机の上には大学受験用の赤本が置いてあり。。
違和感を感じた母がそれを開いてみると、
ページを何枚も引きちぎった跡が…。
そしてゴミ箱にはちぎった紙の山。
丸めて捨ててあったページには、
その中の問題を解いた形跡もあり。
「受験ノイローゼ」という言葉がよぎった母は、
帰宅した弟にその状況について問いただしたそうです。
すると弟は涼しい顔で、
「ああ、それもう解き終わったから。。」と一言。
よく見てみると、クシャクシャになって捨てられているページの問題は、
すべて正答したものばかり…。
他県の大学に在学中だった私は、
弟の大学受験の様子を知りません。
ですから全てあとで聞いた話なのですが。
その話を本人に聞いてみたら、
『正答した問題』=『自分には必要ない問題』
“要らない問題は捨てる”
当然のようにそう答える弟の返答を、
妙に納得して聞いた次第でした。
もっとも自分なら、たとえ正答した問題でも、
「後で必要になるかも…。」
そう考えて、絶対に破り捨てるようなことはしませんが(笑)
弟の性格ならその行動も納得です。
その頃、西高(理)に在学していた弟も、
立派に大学(九大)に合格を果たし、
今では福岡で内科医として忙しい日々を送っています。
「ページを破りとる」という彼の行動が、
本当に正しかったのかどうは分かりませんが。
“要らない問題は捨てる”という行動は、
「すべて頭に残してある」という自信の表れだったのかもしれません。
それを結果が証明しています。
「正答した問題」=「自分には不要な問題」
「間違えた問題」=「自分に必要な問題」
このことは子どもたちにもよく話をします。
黒マジックを持たせて、正答した問題を全部塗り潰させることも。。
「本当に塗り潰していいの?」
そのときの子どもたちの驚いた顔はいつも同じです(笑)
そしてこれからも…
この話を子どもたちにするたびに、
弟の顔が頭の中を過ることでしょう。。