“英語指導”~変革のとき

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今日は英語のお勉強を少し。

中学、高校で頻出の「should(~すべき)」と「had better(~した方がよい)」という表現。

学生の時分に、学参にも幾度となく登場したこの2つの表現方法…

今もまだ記憶に残っている保護者の方も多いかと思います。

ただ…ほとんどの中高生のこの2つの言葉に対する認識に、

重大な誤りがあることをご存知でしょうか?

 

類義的な意味を持つこの2つの表現、

細かなニュアンスの違いを除けば、ことばの持つ意味の強さ(強制力)で使い分けるということになる。

結論から言うと、「should」<「had better」が正解。

[※ちなみに「must(~しなければならない)」はこの2つより更に強い表現]

では、それを日本語に訳したときに「~すべき」<「~した方がよい」で本当に正しいといえるのか?

 

「should=勧告」、「had better=助言」

高校ではそう指導されたと私は記憶しています。

日本語の意味は確かに「~すべき」の方が強い表現だと言えるでしょう。

その訳についても大方間違いではありません。

 

日本語訳との食い違いがあるのはむしろ「had better(~した方がよい)」の方です。

《例》 You had better go home.(あなたは家に帰った方がよい。)

これは確かに正しい日本語訳なのですが…。

ただし、これは決して「もう帰った方がいいんじゃない?」という軽い意味なのではなく、

例えば、「帰らないと親に叱られるよ!」

「危篤のおばあちゃんがいるでしょ!帰らないと大変なことになるよ!」

実は「had better」の「~した方がよい」にはそういう強い意味が含まれる。

『勧告』という表現がふさわしいのはむしろこちらの方だと言えます。。

 

では、実際このことを子どもたちに詳しく説明をしているかというと、

あくまで「should(~すべき)」、「had better(~した方がよい)」

解説はそれのみです。

もしそれが点数アップに繋がるのであれば、詳しく解説をするのですが…。

ニュアンスの違いを説明することは受験英語には必要ないばかりか、

徒に混乱を招いてしまう。

授業は先生の知識を披露する場ではありません。

英語科の指導者のほとんどは、このニュアンスの違いを正しく理解こそしているでしょうが、

それを生徒に説明したりしないのは、つまりはそういう理由なのではないかと思う。

そして英語にこういった例はまだまだたくさんあるのも事実。

 

ところが、その解説をするのか、それともしないのか…

英語科の指導者はその岐路に立たされているともいえます。

それらのすべてを説明するとなれば、反復演習にかける時間が削れらることになる。

何度も言いますが、「受験英語」には到底必要のない知識です。

必要があるとすれば、社会に出てからでも通用する英語としてなのですが。。

文科省の指導のもと、学校現場は間違いなくそういう方向に動いています。

また企業においても、昇進のために「TOEFL(トーフル)」の資格が必須となっているところもあると聞きます。

“本物の英語”がこれから必要となってくることは必至。

塾での指導も変革が求められる時期に差し掛かっているのではないのか?

その点はこれから、思案のしどころです。。

 

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