塾でどういう指導がなされているか…
保護者の方々にはなかなか見えない部分ではああります。
そこで今回は、少し前のブログから宿題になってました、
『塾の指導方針』について、
現在学習している単元を踏まえ、
中3生の例で少しお話しします。
まずは数学。
塾ではちょうど今、「乗法公式」「因数分解」を勉強中です。
入試や統一・実力テストなどの大問1に必ず出題される、
比較的点数の取りやすい単元です。
授業を開始するとすぐに、簡単な例題で解説。
そこからはとにかく公式を鬼反復です。
まずは全員で20回ほど声を合わせて公式を読む作業。
それから5分ほど覚える時間を与え…
今度は一人ひとり順々に、公式を暗唱していきます。
ここは「少人数一斉指導」のメリットを最大限に利用です。
>>公式を一人一人に言わせるには10名前後がベスト。
>>そして自分よりも他の人が読んでいる声の方が、記憶にも残りやすいのです。
公式は実際「もう大体言えるようになった!」と思った段階では、
まだまだ身についていないことが多い。
ましてや、自宅で声を出して暗唱など、
やれる子はほとんどいないでしょう。
ですから塾では強制的に、
毎回の授業の初めに必ず公式を一人一人暗唱。
ときにはストップウォッチを片手に、
暗唱する制限時間を設けたりもします。
「この公式は7秒以内」
「全員で1分20秒以内」…など
この作業は、ここの単元が終わるまで毎回続きます。
初めのうちは、「(もう覚えてるのに)どうして何回も言わせるんだろう?」
そう思っている子どもたちも、
練習問題を解く段階になると、
公式が即座に頭に浮かぶ感覚に、
それまで繰り返してきた意味を理解します。
そしておそらく啓心塾でしかやっていない練習法も実はあり…。
授業にプロジェクターを利用しているのはご存じのことでしょうが、
「式の展開」「因数分解」の問題が、
一問ずつ次々に大きく黒板に映し出されるものを、
それぞれ80問ほど準備してあります。
それを見ながら一人一人順番に、
瞬間的に答える訓練をします。
答えを言い始めるのに3秒以上かかってしまったらアウト。
また自分の番が回ってきて、
次に答えられるまでその場に立っておかなければなりません。
正答を導き出すまでに要する時間が、
その子の定着度合いを表しています。
この訓練は全員が着席できるまで続きます。。
授業で使う”例題”や、
ひと通り解説を終えたあとに行う”小テスト(10問テスト)。
これにも少し秘密があります。
問題を準備する段階で、
“少し考えなければ解けない問題(難易度の高い問題)”は
事前にすべてカット。
抵抗なく解けるような問題・簡単な問題のみを抽出し作成してあります。
つまり公式を使って問題を解く初めの段階・
『解ける!』を意識させなければならない段階で、
難解な問題は一問たりとも要らないのです。
既成の問題をコピーしてさせるよりかなり手間はかかりますが、
その労力に見合うだけの効果は十分に現れます。
そして定期テストが近づき、難易度の高い問題をやり始める頃には、
それも驚くほどあっさりと解けるようになっています。
どうしてここまでやるのか?
それは、『ただ解けるようになる』…ではなく、
『確実に(ミスなく)解けるようになる』が
その単元の塾としての最終到達点だからです。
それまでのテストの点数がたとえ30点前後の子でも、
5月のテスト…その部分だけは全員が9割以上の得点率になるのは、
3月からやっているこの取り組みに秘密があるのです。
5月の定期テストでは、1・2年の範囲を除いた、
「乗法公式」「因数分解」のお子さまの得点率。
是非注目していただければよいかと思います。
1・2年の単元にさかのぼっての学習は、
季節ごとの各ゼミにてしっかり行います。
少し長くなってしまいましたので、
“英語の指導法”はまた次回に。。