家庭でお子さんをどのように机に向かわせればよいのか?
自宅学習の正しいあり方について色々と悩まれているご家庭も多いようです。
先日、教材出版社から送られてきたの通信の中に興味深い資料がありましたので以下をご覧ください。
『文部科学省は1月25日、今春実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で実施した児童生徒へのアンケート結果と成績との相関関係を公表。平日のテレビ視聴時間が1時間未満の子どもの方が全く見ない子どもより成績が良いことが分かった。1時間以上だと、長時間になるほど成績が低下した。文科省は「視聴時間を決めるなど、節度を守って見れば知識の習得に役立つのではないか」とみている。全国の小学6年生と中学3年生に実施した学力テストの国語、算数・数学のA(知識)、B(活用)問題の平均正答率と児童生徒へのアンケート結果を分析した。平日にテレビやビデオ・DVDを見る時間が「1時間より少ない」と答えた子どもの平均正答率は小学校国語Bで53.0%。長時間になるほど低下し、「4時間以上」は44.4%だった。一方で「全く見ない」は48.9%。「3時間以上、4時間未満」の子どもと変わらなかった。小中学校の全教科でほぼ同じ傾向がみられたほか、インターネットの利用時間と成績の関係でも同様の相関があることが分かった。』
(以上、文章内容はそのまま引用させていただきました。)
「なるほど」と思える結果…データなしでも何となく感じていたことでもあります。
私の経験からも「自分のリズムで生活している」子どもは成績が良く、「長時間ずっと勉強している」子どもの方が伸び悩んでいることが多いようです。
塾で「日曜日は何してた?」と子どもに声を掛けることがあります。
そのときに感じること…。
「遊んでました。」と即座に返事が返ってくる子どもは大丈夫。
即答できるということは、その子に後ろめたい気持ちのないことの表れだからです。
逆に「ずっと勉強してました。」と返す子どもの方が要注意!
本当はあまり勉強していなかったのだとすれば、勉強していたことをアピールしなければならない理由が何かある筈。勉強していた間も集中できていたかどうかは疑問です。
もし本当に勉強していたのだしても、長時間の学習、ずっと能率よく勉強できていたとはとても思えません。
大事なのはその子が自分の意思で学習しているかどうか。
そして普段から安定した精神状態で勉強しているかだと思います。
特に中3生は色々なことに対し神経質になってしまう時期です。
終わりの見えない勉強に焦りの気持ちも募っていきます。
「とりあえず勉強はしているが、傍から見ると意味のある勉強をしているとは思えない」と感じられる親御さんも多いかもしれません。
「子どもに危機感が感じられない」のもその場合の理由の一つ。
お子さんに対してそう感じられる場合、親御さんの勘はおそらく正しいのでしょう。
精神面が充実してくれば自ずと勉強の能率も上がっていきます。
冒頭の資料のデータがそれを示しているのではないでしょうか?
ともあれ入試を目前に控えた今、私の前でのんびりと構えているような子どもはもういません。
それは親御さんの前でもきっと同じだと思います。
だからこそ長時間自分の部屋にこもって勉強しているときは、「休憩したら?」「テレビでも見たら?」という一言が必要なのでは?
「もう集中できていない」と感じられれば、無理矢理にでも休憩をとらせる…。
そして、勉強⇔休憩という生活リズムを自分自身で作れるようになればもう安心です。
まだまだ勉強する姿勢に対して細かく指導しなければならない子どももいますが…。
叱って勉強させる~一番手っ取り早い方法~では高校に進学してから苦労することは目に見えています。
「勉強に対する姿勢をしっかりと身につけてから高校に進学する」
これは開塾当初から掲げている、子どもたちに対する目標です。
とりあえずその目標達成まであと少しという段階まで今年はきています。
そしてその目標を達成すると同時に、「全員合格」というもう一つの目標も達成できると確信しています。
偉そうな文面になってしまいましたが最後に一言…
これからも塾では気持ちが落ちてきている子どもはいないかしっかりと見ていきます。
そして親御さんにもお子さんがどうすればベストな精神状態で入試まで学習できるか、今一度頭をひねっていただきたいと強く思っております。
なぜならお子さんのことを一番よく理解できるのは親なのですから。
お子さんよりも更に神経質になられている親御さんもいらっしゃることは重々承知の上です。
残された期間は1ヶ月弱、どうぞ宜しくお願い致します。